ハウスキーパーの部屋

この部屋の展示アイテム

キッズとまなぶNo.1
キッズとまなぶNo.1

ハウスキーパーの部屋

ハウスキーパーはとても重要なポジションであり、通常、熟練した年長の女性が務めました。 また最も重要な女性の使用人として、プライバシーを尊重して快適な自分だけの部屋を与えられました。 この部屋で屋敷内の諸事の整理や支払いの手配などの仕事をしました。
この部屋に他の使用人が入ることはめったにありませんでした。またハウスキーパーは格上である ため、使用人の部屋で他の者たちと共に過ごすことはなく、この部屋で食事をとりました。

ハウスキーパー

ハウスキーパーの給料は年約15ポンド(現在のおよそ1,308 ポンドほど)でした。 これに加え てお茶と砂糖代の補助金が出ました。
女性の使用人たちを取りまとめ、必要な品物を注文し、屋敷中の鍵や収納庫の在庫を管理するなど、屋敷内の諸々を万事円滑に進めることがハウスキ ーパーの責任でした。指示通り物事が進んでいるか、屋敷内のルールがきちんと守られている かなどの確認を、女主人はハウスキーパーにまかせていました。

使用人の宿泊施設

ここでは使用人の寝室に関する展示はありませんが、少しご説明しましょう。使用人は、場所に余裕がある場合は、敷地内の別々の場所に男女わかれて睡眠をとりました。 洗い場係の少女 は洗い場で、従僕は使用人の部屋を寝室としていたと考えられます。別の使用人の部屋が最上 階にもありますが、現在はここの運営スタッフのオフィスとして使われているため、一般公開はされていません 。我々スタッフはこのお屋敷の現代の使用人だと考えれば、その部屋を使うのも当然ですね?!

上階のメイド

さらに裕福な家庭では、年2ポンド~5ポンド(現在のおよそ174~436ポンドほど)でメイドを雇っていました。 屋敷内のものをポリッシュし、ベッドを整え、シーツなどを手直ししたり縫物をするのがこのメイドたちの仕事でした。 メイドは朝早く起きて暖炉をきれいにしてから火をくべ、よろい戸を開け、絨毯のよごれをはたき、カーペットを掃除し、ほこりをふきとり鏡をきれいにみがき、家族のお茶の支度をして寝室に届ける - このすべての仕事を朝食前に片 づけなければなりませんでした。家族が皆下に降りてきたら窓を開け、ベッドとリネンに風を 入れ (ノミなどの虫がたかるのを防ぐため) ました。週に一度ベッドマットレスを裏返し、ベッ ドやドレープカーテンのほこりをはたきました。尿瓶を空にして洗浄するのもメイドの役目で した。午後は屋敷中のリネンを整理し上階の部屋を片づけ寝具を整えました。さらに他の使用 人たちから頼まれれば、手助けすることさえあったのです。

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ハウスキーパーの手引き

エリザベス・ラファルド(Elizabeth Raffald)著『熟練英国人ハウスキーパーの手記』(The Experienced English Housekeeper) は1769年に初版が出版されました。ただしこ れは文字が読めない下級の使用人ではなく、教養のあるハウスキーパーに向けて書かれた本でした。

ふいご

残り火が絶えてしまわないように細いチューブで息を吹きかけるふいご。二股に分かれたほう の先端を暖炉につきさし、上のマウスピース側から息を吹き込むしくみです。古い火打石銃の銃身部分を利用してふいごを造ることがよくありました。

ガラス張りの戸棚

ハウスキーパーが毎日チェックしていたのはこのガラス張りの戸棚や、リネン収納庫、乾物、 スパイス、石鹸やろうそくといった小物の保管箱でしょう。これらの収納庫はすべて施錠され 、その鍵はハウスキーパーが管理していました。
ここでは何点かのチェンバーレーン ウスター製デザート食器 セット(Chamberlain Worcester Dessert Service、1795年頃) が見ることができます。クリ スマスには、これらの食器はダイニングルームに展示されます。この43点のデザート食器セットは、バ ース市ロイヤル・クレッセントNo. 20に住んでいたヒースコート氏のために作られたものです 。元の値段は32.6.0.ポンドでした。 この食器セットのひとつひとつには、 18世紀当時大変人気のあったイソップ物語のさまざまなシーンが描かれています。

ろうそく と ろうそくホルダー

日常生活で必要なオイルランプとろうそくのあかりを絶やさないために、ろうそくが無くなる前に補充しておくのは使用人にとって重要な務めでした。 かたむいたろうそくが倒れると火事になる危険性をよく理解していたスザンナ・ワットマンのハウスキーパーの手引きには、「ハ ウスキーパーはメイドたちにろうそくをまっすぐに持つことを教えるべきだ」と記されています 。

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